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腰椎椎間板ヘルニア
- 腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気ですか?
- 腰椎椎間板ヘルニアの原因はどういったものがありますか?
- 腰椎椎間板ヘルニアと言われました。何もせず安静にして寝ていた方がいいですか?
- 椎間板ヘルニアのリハビリではどんなことをするの?
- 椎間板ヘルニアに良いストレッチはありますか?
- 手術後のリハビリはどんなことをするの?
- 腹筋や背筋を鍛えると良いと聞きました。どんな体操をすればいいでしょうか?
- 腰椎椎間板ヘルニアが発症しやすい年齢や部位はありますか?
- 腰椎椎間板ヘルニアを調べる検査にはどういったものがありますか?
- 腰椎椎間板ヘルニアの手術を勧められていますが、仕事の都合がありなかなか受けることができません。
質問と回答
腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気ですか?

まずヘルニアについて説明しましょう。ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまった状態を指します。有名なところでは、臍ヘルニア〈でべそ〉、鼠径ヘルニア〈脱腸)があります。これが背骨のクッションである椎間板におこったものを椎間板ヘルニアと呼びます。椎間板の中に存在する髄核というゲル状の組織が、外に飛び出してしまった状態です。
これが腰の骨である腰椎の椎間板で起こったものを腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。
腰椎椎間板ヘルニアの症状としては、腰痛をはじめ、下半身の痛みやシビレ、足が上手く動かせなくなる運動麻痺、感覚が鈍くなる感覚麻痺などが起こります。
腰椎椎間板ヘルニアの原因はどういったものがありますか?

腰椎椎間板ヘルニアは、多くの場合日々の生活の中で椎間板への負担が積み重なり発症します。長時間の車の運転や中腰での作業、重いものを持つなど、腰に負担のかかりやすい生活を送っている人ほど腰椎疾患を発症しやすいと言えるでしょう。
特に男性の場合、職業ドライバーや金属・機械業就労者はホワイトカラーの就労者に比べ、約3倍腰椎椎間板ヘルニアになりやすいと言われています。
ただ、そういった腰に負担のかかることをしない方でも椎間板ヘルニアを発症する人は存在します。また、 喫煙・遺伝なども腰椎椎間板ヘルニアの発症に影響があると言われています。
腰椎椎間板ヘルニアと言われました。何もせず安静にして寝ていた方がいいですか?

発症から間もない急性期には自分の痛みの程度に応じて活動を加減することが望ましいですが、「安静」は痛みの結果としての安静であって、治療手段としての安静ではありません。強い症状が治まり次第、なるべく早く通常の生活に戻ることが良い結果になることがわかっています。
ただし、ヘルニアの程度や症状によっては早期に手術を要する必要もあり、安易な自己診断は禁物です。専門医に相談することをおすすめします。
ヘルニアは比較的予後のよい病気で、重度であっても様々な治療法がありますのでご安心ください。
椎間板ヘルニアのリハビリではどんなことをするの?

腹筋や背筋(いわゆる体幹)を鍛えることで背骨を安定させたり、関節の柔軟性をアップさせることで、腰椎にかかる負担を軽減します。状態にもよりますが、ヘルニアは自然治癒が見込める病気ですので、リハビリをしながら経過を観察します。
症状の改善にはある程度時間がかかることがほとんどです。リハビリの効果としては、症状の悪化防止、再発予防、腰痛の軽減などが見込めます。
椎間板ヘルニアに良いストレッチはありますか?

椎間板ヘルニアの患者様は背中が丸まった姿勢の方が多く、背中や太ももの裏などが硬くなっていることが多いことから、以下のような体操を良くお勧めしています。


腰を丸めたり前屈するようなストレッチは椎間への負担が大きいことから、避けた方が良いと言われており、反らすことで症状が改善することが多いのが特徴です。
※ストレッチ等がお勧めされないケースもありますので、医師の指示を仰ぐようにしましょう。
手術後のリハビリはどんなことをするの?

手術から日が浅いうちは、手術した部分が負担に弱い状態になっているため、腹筋や背筋を鍛えたり腰を大きく動かすストレッチは避けることがほとんどです。
腰に負担のかからない動作を覚えたり、腰以外の関節の柔軟性をアップさせたりすることで、手術部位の早期回復を目指します。また、手術前から筋力低下などがある場合はそれらに対してのリハビリを行うこともあります。
腹筋や背筋を鍛えると良いと聞きました。どんな体操をすればいいでしょうか?

腹筋や背筋はコルセットのような役割をして背骨を安定させ、腰にかかる負担を軽減してくれます。特に腹筋が上手く働いていると、椎間板への負担が減ることがわかっています。
とは言え、腹筋運動として有名な上体起こし(仰向けに寝て身体を起こす運動)は、椎間板への負担が大きいことからお勧めできません。以下の方法(プランク)などは腰への負担を最小限に筋肉を鍛えることが可能です。
身体を真っすぐにして、膝と肘で身体を支えます。腰が反らないように注意して行います。

筋力を鍛える運動は腰への負担も大きくなるため、医師の指示のもと行うようにしましょう。
筋肉はゴムのような特性を持っているため、あまり動かさないでいると劣化してしまいますし、伸びっぱなしでは縮む力が弱くなってしまいます。ストレッチや筋力トレーニングを行い、適度に伸び縮みをさせて筋肉を良い状態に保ちましょう。
腰椎椎間板ヘルニアが発症しやすい年齢や部位はありますか?

前述の通り、腰椎椎間板ヘルニアは腰への負担の積み重ねによって発症するため、活動性の高い20代から40代、次いで10代と50代の男性に多く見られます。
腰椎は第1から第5まで5つが存在しますが腰椎椎間板ヘルニアの大部分は、構造上負担のかかりやすい第4腰椎と第5腰椎の間、また第5腰椎と仙骨の間で起こります。同時に2ヵ所以上に発生するヘルニアもありますが、複数のヘルニアが同時に症状を起こしていることは少なく、適切な治療のためには症状を引き起こしている部位を特定することが重要です。
MRIをはじめとした精密な画像検査に加え、経験豊富な医師の診断が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアを調べる検査にはどういったものがありますか?

腰椎椎間板ヘルニアの診断は、症状や発症機転などの入念な問診に始まり、筋力・感覚検査、各種神経の検査による診察所見が必要です。
一般に整形外科で多く行われているレントゲン検査だけでは確定診断は難しく、椎間板や神経を写し出すMRI検査が椎間板ヘルニアの診断に必須と言えます。
さらに必要に応じ、骨の状態が鮮明にわかるCT検査や、造影剤を利用した神経・椎間板造影検査などを行うことで、症状との整合性、他に考えられる病気はないか、鑑別すべき病気が隠れていないか等を調べます。
腰椎椎間板ヘルニアの手術を勧められていますが、仕事の都合がありなかなか受けることができません。

近年では技術の発展により従来のヘルニア手術に比べ大幅に入院期間が短縮され。1~2週間程度の入院で手術が可能です。しかし、時世の変化もあってより早期の社会復帰を望む声が多く聞かれるようになり、ここ数年では日帰り~1泊で手術が行われることもあります。ただ、そういった手術は熟練した技術をもった医師と最新の機器が必要となるため、限られた施設でしか行われていないのが現状です。
当院ではこのような体に負担の少ない手術を積極的に行っておりますので、以下のページをご覧ください。
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