教えて!先生!腰痛の専門医による安心アドバイス 運営:腰痛・ヘルニアの専門医療機関 あいちせぼね病院 理事長 伊藤不二夫

脊髄腫瘍

質問と回答

脊髄腫瘍とはどういった病気ですか?

脊髄とは、背骨の中(脊柱管)を通っている神経で、脳から直接つながっているものです。そんな神経の本幹である脊髄の中に発生する腫瘍を「脊髄腫瘍」と呼びます。神経内に腫瘍ができるものや、神経を覆う膜(くも膜・硬膜・軟膜)など神経周囲の組織にできるものがあります。

腫瘍によって神経が圧迫され、痛みやしびれ、筋力低下や感覚麻痺など様々な症状が出現します。

脊髄腫瘍の原因は何ですか?

自然発生的に脊髄に腫瘍が出来るものと、他の臓器などにできた腫瘍(癌)が脊髄に転移するものとの2種類があり、他臓器から転移してくるものが多数を占めます。腫瘍の発生しやすさには遺伝的な要素や生活習慣などの後天的な要素があると言われていますが、脊髄腫瘍が起こるはっきりとした原因はわかっていません。

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脊髄腫瘍の症状について教えてください。

背骨は首(頚椎)、胸(胸椎)、腰(腰椎)に分かれており、どこに腫瘍が発生するかによって出現する症状が異なります。頚髄腫瘍では、手や腕に症状が出やすいと考えられますが、首から下のどこに症状が出てもおかしくありません。胸髄腫瘍では、お腹から下の下半身に症状が出現します。腰髄腫瘍では基本的に上半身に症状が出ることはなく、下半身のみの症状となります。

初期症状としては、手足の痛みやしびれ、感覚が鈍くなったり(感覚麻痺)、動かし難さを自覚したりすることが多いと言われています。腫瘍が大きくなり神経の圧迫が強くなると、しびれや感覚麻痺などの症状が強くなってくるほか、手足の力が弱くなる、お箸や書字などの手先の作業が難しくなる、足が上手く動かず歩きにくくなる、尿が漏れたり出なくなる(膀胱直腸障害)といった症状が出現してきます。

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脊髄腫瘍の治療について教えてください。

原則は手術を行い、腫瘍を取り除く必要があります。

神経に発生する腫瘍であることから、手術で全てを取り除こうとすると神経を傷つけてしまうこともあり、腫瘍の発生する部位によっては全摘出が難しいことも間々あります。

一部の腫瘍は投薬や放射線治療等で治療を行うこともありますますが、手術や化学療法は身体への負担が強いことから、特に高齢の患者様の場合、症状の程度によっては特別に治療を行わないこともあります。

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脊髄腫瘍は手術で治りますか?

手術で腫瘍を摘出し神経の圧迫が無くなれば症状がほとんど改善してしまうこともありますが、先述のように全摘出が難しいこともあります。また、神経が圧迫されていた期間が長かったり、神経の圧迫が強かった場合にも症状が残存することが多いと言えます。特に悪性の腫瘍は正常な細胞との境界がはっきりせず、後の再発や転移を防ぐためにも大きく組織を切り取らざるを得ないこともあり、手術後に症状が残存したりある程度の後遺症が出現することを覚悟する必要がある場合があります。

術前に担当医と症状の改善や残存等について十分に話し合う必要があると言えます。

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脊髄腫瘍には良性と悪性があると聞きましたが・・・

他の臓器に発生する腫瘍と同じく、良性のものと悪性のものがあります。

腫瘍そのものは大きくなっていきますが周囲の組織などに広がっていかないものを良性腫瘍、周囲の組織に広がっていったり(浸潤)、離れた臓器などに移動する(転移)ものを悪性腫瘍と呼びます。悪性腫瘍はいわゆる「がん」と呼ばれるもので、やはり再発率も高く、手術などですべてを摘出するのも難しいことが多い厄介な腫瘍と言えます。また、先述の通り他の臓器に発生した悪性腫瘍が脊髄に転移するケースが多い多数を占めます。

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脊髄腫瘍の予後について教えてください。

良性腫瘍の場合、神経障害の程度にもよりますが、手術で摘出することができれば症状の改善が見られ、再発等の可能性も低いことから予後は比較的良いと言われています。

悪性腫瘍であった場合は、再発や、周囲の組織への浸潤、離れた組織への転移の可能性がある他、正常な細胞との境目がはっきりしないことも多く、必然的に手術の難易度も上がってしまいます。他の臓器から転移してきた脊髄腫瘍の場合、元々の腫瘍の治療をしなければ再発や転移を繰り返す可能性があります。

悪性の脊髄の中に発生する腫瘍や、転移性の腫瘍に関しては予後が良いとは言えず、5年生存率も10%を切ることが多いようです。

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脊髄腫瘍はどのように検査・診断しますか?

腫瘍の発生する部位や大きさなどにもよりますが、MRI検査やCT検査が有効です。

一般の診療所などで行われるレントゲン検査では神経が写らないことから診断することが難しいため、検査設備の充実した医療機関で診断を受ける必要があります。

脊髄腫瘍の初期症状は軽微であることが多く、見逃されがちでもあることから、原因のはっきりしない症状が長く続く場合などはMRIやCTなどの設備のある医療機関を受診してみましょう。

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脊髄腫瘍の診断を受けましたが、手術が半年先になるとのことでした。それまでに気を付けることなどはありますか?

基本的には過度に恐れて安静にする必要はありません。
仕事や趣味なども、お身体と相談しながら続けていた方が、体力や筋力の低下も防ぐことができますし、精神的にも健康的です。ただ、あまりに症状が強くなる動作や運動は控えた方が良いでしょう。

腫瘍の発生した場所や、骨に転移した腫瘍がある場合などは、強い神経障害や骨折等の可能性もありますから、運動などを行う場合は必ず医師に確認するようにしましょう。

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脊髄腫瘍が疑われる場合、何科に行けばいいでしょうか。

脊髄の病気は整形外科や脳神経外科で診療を行うことが一般的です。

先述の通り、脊髄腫瘍の診断にはMRIやCTといった検査設備が必要ですので、まずはそういった設備が充実した医療機関を受診することをお勧めします。

手術も一般的なクリニックなどでは対応していないことがほとんどですので、大学病院や総合病院などの多くの科を標榜している医療機関の受診をお勧めします。セカンドオピニオン制度を利用したり、かかりつけの病院などがあるのなら紹介状などを書いてもらうなどをしてもらうと良いでしょう。

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あいちせぼね病院
東京腰痛クリニック
あいちせぼね病院 TEL 0568-20-9100
東京腰痛クリニック TEL 03-5537-3885

執筆

伊藤 不二夫

医師 伊藤 不二夫

プロフィール

医療法人 全医会
あいちせぼね病院 理事長

日本整形外科学会専門医
医学博士
(名古屋大学 医学部卒・大学院修了)

伊藤 全哉

医師 伊藤 全哉

プロフィール

医療法人 全医会
あいちせぼね病院 院長

日本整形外科学会専門医
医学博士
日体協公認スポーツドクター
(名古屋大学 医学部卒・大学院修了)

三浦 恭志

医師 三浦 恭志

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東京腰痛クリニック 院長

日本整形外科学会専門医
医学博士
(名古屋大学 医学部卒・大学院修了)

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(あいちせぼね病院 理学療法士)

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