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背骨について
質問と回答
背骨ってどんな構造をしているの?
背骨は正式には脊柱と言い、大まかには本体を成す「椎骨」と、クッションの役割をする「椎間板」からなります。それらが積み木のように交互に重なっており、首の骨である頚椎が7つ、その下を胸椎と呼び12個、その下の腰椎が5つです。脊柱は身体の軸として、また、脊髄神経の通り道としての役割を果たしており、身体を自在に動かすために多くの関節を有しています。
それだけに負担もかかりやすく、怪我や病気にもなりやすい場所と言えます。背骨は身体の大黒柱です。日頃から労わってあげたいものです。
整体で背骨が歪んでいると言われました。どうしたらいいでしょうか?
一般に背骨の歪みと言われるもののほとんどは、筋肉の緊張や背骨の関節の問題から起こるものです。歪みと言うのは少し俗な言い回しで、医学的に証明されている状態ではありませんが、姿勢の改善やストレッチ、適した運動などの継続で改善されていくことが多いようです。
症状が強いのであれば何かの疾患も考えられます。近医で診断を受け、自分に適した正しい運動などを教えてもらうのが良いと思います。
背骨を捻るとボキボキと鳴ることがあります。あまり鳴らさない方が良いと聞きますが、鳴った後はスッキリするのでつい自分で鳴らしてしまいます。
背骨が鳴る原因は、関節内に生じた気泡によるという説が有力です。音が鳴ること自体はよほど大きな問題にはならないことが多いようですが、鳴らそうとするあまり、関節を無理に動かすことで筋肉や靭帯を痛めてしまう事があります。整体やカイロプラクティックなどでボキボキと鳴らす治療を行うこともありますが、熟練した技術を持った施術者は残念ながら少ないのが現状の様です。
詳細は動画で説明しています。
高齢ですが、背骨の手術は無理でしょうか?
日本女性の平均寿命は2012年現在、約86歳にもなり、世界一位、男性も約80歳と世界二位です。平均寿命が延びるにつれ、高齢の方が手術を希望されることも増えてきました。
近年は、医療技術の発展に伴い、身体に負担の少ない手術が可能になったこともあって、ある程度高齢の方でも安心して手術を受けて頂けるようになっています。内科的な病気や、体力、全身状態などを厳密に把握し、対応可能な病院を選ぶことが大切です。
背骨にもドックがあると聞いたのだけれど?
近年、予防医療に注目が集まり、人間ドック、脳ドック、婦人科健診など、多くのドックが行われています。そんな中、一般に広く普及しているとは言い難いですが、脊椎ドックと言われるものも行われています。国民的疾患である腰痛、肩こりの原因となり、高齢者の寝たきりの原因にもなり得る背骨の病気を精査するためのドックです。
脊椎ドックを受けられる医療機関もまだ少ないのが現状ですが、近年、日本脊椎脊髄ドック協会が発足したこともあり、これから広く普及していくことが予想されます。
背骨に負担がかかる姿勢って?
スウェーデンのナッケムソンという整形外科医が行った、有名な研究があります。椎間板にかかる圧力を姿勢ごとに直接測定したもので、立っている時の椎間板への圧力を100とすると、中腰姿勢が150、椅子に腰かけている状態が140とされています。腰を深く曲げるほど椎間板への圧力は増加します。
そして意外かもしれませんが、立っているよりも座っている時の方が椎間板への負担は大きいのです。ちなみに最も負担が少ないのは膝を曲げて仰向けに寝ている姿勢で、25となっています。
背骨にも癌があると聞きました。
一般的に増殖や転移などの可能性がある、悪性の腫瘍の事を癌と言います。腫瘍は悪性・良性に関わらず、背骨にも発症することがあり、骨の部分や、脊髄神経そのものなど、背骨に多様に発生する腫瘍をまとめて脊髄腫瘍と呼びます。
脊髄腫瘍では、発生部位によって神経が圧迫されたり、骨の破壊を引き起こしたりと、様々な病態があり、症状も様々です。治療は痛みなどに対して投薬などを行う対処療法、腫瘍を摘出する手術療法が一般的で、悪性の場合はそれに加えて放射線治療や、化学療法を行うこともあります。