教えて!先生!腰痛の専門医による安心アドバイス 監修:腰痛・ヘルニアの専門医療機関 あいちせぼね病院 理事長 伊藤不二夫

首の痛み(頚部痛)

質問と回答

突然首が痛くなりました。何が原因ですか?

首の痛みは大きく「筋肉や関節からくる痛み」と「神経の痛み」の二つに分けられます。

「筋肉や関節の痛み」は、筋肉の固さや循環の悪さ、関節の動きの悪さなどによって首が痛くなるものです。

「神経からくる痛み」は“頚椎椎間板”ヘルニアや“頚椎神経根症”など、首の病気によって引き起こされます。腕や手にしびれがあったり、力が入らなくなってしまう、また、箸を使ったりボタンを留めたりなどの細かい手先の作業がしにくくなったなどの症状がみられる場合はそれらの病気が強く疑われますので、整形外科の受診をお勧めします。症状がひどければ手術をする必要があるかもしれません。

当院では、首の痛みの原因を探る脊椎ドック(脊椎精密検査)から、頚椎椎間板ヘルニアの手術まで、脊椎に関する専門的な治療を行っております。詳細は以下よりご確認ください。

首の痛みで、どんな時に診察を受けるといいですか?

特に痛みが強かったり、長引く場合は医師による診察を受けてください。また、高い熱がある場合は特に注意が必要ですので、早めの診察をお勧めします。

痛み以外には、首から肩甲骨、肩、上肢がしびれたりする場合は首の神経が圧迫されている可能性があります。最悪の場合、放置すると力が入らなくなったりすることもあります。頚椎椎間板ヘルニアや骨などの組織が神経を圧迫していることが考えられますので、専門医の診察を受けるとよいでしょう。

首が痛いときに効果的な体操やストレッチはありますか?

慢性的な首痛の多くは筋肉のコリやハリからくるものです。
人間の頭は非常に重いことから、デスクワークやスマートフォンの使用などでうつむいた姿勢が多くなると、それを支えるために首から背中の筋肉を酷使することになります。

姿勢を整え、首の負担を軽減するために、以下のエクササイズを一日の内にマメに行うと良いでしょう。

① 壁に背を付けて立ち、顎を引いて軽く胸を張ります。
② 後頭部・肩甲骨・お尻を壁につけ、腰の後ろの隙間を潰すように腹筋に力を込めます。
③ 顎を引きしっかりとお腹に力を込めたまま10回、横から手を挙げ下げします。

姿勢を整え、首の負担を軽減するエクササイズ

このエクササイズは、良い姿勢でいるために必要な筋肉をまんべんなく働かせることができ、首の負担を軽減することができます。長時間のデスクワークなどで辛い場合には、1時間に一回程度行いたいところですが、数時間に一回、トイレに行くたびなどに行うのが現実的でしょう。

寝違えのような急に出現した痛みにもある程度効果がありますが、頚椎椎間板ヘルニアなどの病気が潜んでいる場合には症状が悪化してしまうこともあります。症状が強い、改善傾向が見られない場合などは無理をすることなく、医師に相談するのが良いでしょう。

首の痛みを予防するためにはどうすればいいですか?

人間の頭は非常に重く、ボウリングの玉ほどの重さがあります。そんな重たい頭を支えているのですから、首の筋肉や関節が痛んでしまうのも無理はありません。

頭をボウリングの玉と考えるとわかりやすいと思いますが、うつむいた姿勢や上を向いた姿勢などは、玉が前後に転がってしまわないように首や背中の筋肉が頑張って支える必要があります。猫背姿勢なども、ボウリングの玉を乗せている土台が傾いているので、同様に首や背中の筋肉への負担が大きくなります。

首の負担の図

つまり、真っすぐな良い姿勢を保ち、ボウリングの玉を首の上で安定させることで首にかかる負担を減らし、首痛を予防することが出来るということです。

↑の質問の回答にある体操は、姿勢を整え首の負担を減らすために有効な体操です。
首痛が無い場合でも、デスクワークで首を酷使する方や、PC・スマートフォンを眺めている時間が長い方などは、一日に5回ほど行うと予防効果があるかもしれません。

首に強い痛みと熱があります。どんな病気が考えられますか?

首の痛みとともに、高い熱が出るときは椎間板や組織が細菌感染を起こしている場合があり、一刻も早く専門医による治療が必要です。治療が遅れると、手足が麻痺したり、最悪の場合、命にかかわることもあります。

また、Crown Dens syndromeという名前で呼ばれる病気もあります。これは上位頚椎の関節にピロリン酸カルシウムという物質が出てきて、痛風発作のようになります。基本的には良性の疾患ですが、強烈な痛みが特徴です。

首が痛い時はどうしたらよいですか?

痛みの原因にもよりますので一概には言えませんが、多くは特に何もしなくても数日から数週間で自然回復していきますので、あまり心配しなくても大丈夫です。
「動かせないほど痛い」ということでなければ、軽いストレッチや首の筋肉を鍛える体操などを行うのも効果的です。強く力んだり、長い時間うつむくような作業は避けた方が良いでしょう。

痛みがあまりに強かったり、長引く場合は、安易に自己判断で体操等を行うのは避けて専門医の診察を受けることをお勧めします。

手のしびれがあります。首が悪いと言われたのですが?

手がしびれる原因は様々です。首の骨である頚椎から、手先に向かって神経が走っており、頚椎椎間板ヘルニアや骨の変形などによって、その神経が圧迫されることで首から肩、腕や手にしびれを引き起こす事があります。また、頚椎以外にも、腋の部分や肘周辺、手首付近など、様々な部分で神経が圧迫され、同様の症状を引き起こすことがあります。

長期間神経が圧迫され続けると、治療を施しても後遺症が残ることがあるため、早めに専門医を受診する事をお勧めします。

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あいちせぼね病院
東京腰痛クリニック
あいちせぼね病院 TEL 0568-20-9100
東京腰痛クリニック TEL 03-5537-3885

監修

伊藤 不二夫

医師 伊藤 不二夫

プロフィール

医療法人 全医会
あいちせぼね病院 理事長

日本整形外科学会専門医
医学博士
(名古屋大学 医学部卒・大学院修了)

伊藤 全哉

医師 伊藤 全哉

プロフィール

医療法人 全医会
あいちせぼね病院 院長

日本整形外科学会専門医
医学博士
日体協公認スポーツドクター
(名古屋大学 医学部卒・大学院修了)

三浦 恭志

医師 三浦 恭志

プロフィール

医療法人 全医会
東京腰痛クリニック 院長

日本整形外科学会専門医
医学博士
(名古屋大学 医学部卒・大学院修了)

企画:河重 俊一郎
(あいちせぼね病院 理学療法士)

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