トップページ > 腰椎すべり症
腰椎すべり症
- 腰椎すべり症について教えてください。
- 腰椎分離すべり症について教えて。
- 腰椎変性すべり症について教えて。
- 腰椎すべり症ではどんな症状が起こるの?
- 腰椎すべり症の治療について教えて。
- 腰椎すべり症の手術について教えて。
- 腰椎すべり症でやってはいけないことや、してはいけない運動はありますか?
- 腰椎すべり症に効果的なストレッチがあれば教えてください。
- 腰椎すべり症の診断について教えてください。
- 腰椎すべり症になりました。負担をかけない寝方を教えてください。
- ウォーキングや筋トレなどの運動をしてもよいですか?
- 起床時に足先のしびれや、足の付け根の痛みなどがあり、「すべり症」と診断されました。悪化させないためにはどうしたらよいでしょうか。手術は必要ですか。
質問と回答
腰椎すべり症について教えてください。

腰椎すべり症とは、積み木のように連なる腰椎が、文字通り前方へ滑り出してしまい、様々な症状を引き起こす病気です。
腰椎すべり症は、大きく背骨や椎間板などの変性によって起こる「変性すべり症」と、腰椎分離症に続発する「分離すべり症」とに分けられます。
原因は違いますが、それぞれ出現する症状はほとんど変わりません。4番目の腰椎に好発し、診断にはレントゲンやMRI、CT検査に、場合によっては造影剤などを用いた検査を行います。

腰椎分離すべり症について教えて。

背骨の本体である「椎体」と後ろ側で関節を構成している「椎弓」とが分離してしまった状態が腰椎分離症です。この状態で放置されてしまうと、分離した部分の腰椎の安定性が失われ、上下の骨にずれ(すべり)が生じてしまいます。
このように、根本に腰椎分離症があり、その結果腰椎すべり症に移行してしまった状態を「腰椎分離すべり症」と言います。
腰椎変性すべり症について教えて。

変性すべり症は、明らかな原因は不明ですが、多くは加齢とともに椎間板や靭帯、関節など腰椎を固定している組織が変性を起こし、それに伴って腰椎の安定性が失われ、腰椎にずれ(すべり)が出現します。このように、加齢や長期間にわたる負荷などによって徐々に腰椎が変性を起こし、その結果発症したすべり症を「腰椎変性すべり症」と呼びます。
そのため、分離すべり症に比べ高齢で発症し、骨などの組織が変性を起こしやすい女性に多いようです。
腰椎すべり症ではどんな症状が起こるの?

すべりの程度にもよりますが、症状としては、まず腰痛と坐骨神経痛があげられます。すべりが強度になってくると、腰椎の後方を走る脊髄神経が圧迫され、下半身に痛みやしびれが出現します。
また、長い距離を歩くと痛みやしびれが出現し、かがむことで楽になる「間欠性跛行」と言う症状も多く見られます。
分離すべり症も変性すべり症も結果的には脊髄神経の圧迫が症状の主な原因となるため、出現する症状に大きな差はありません。
腰椎すべり症の治療について教えて。

すべり症の治療ではまず保存療法が選択されます。
コルセットなどにより、腰への負担を軽減し、消炎鎮痛剤や、ブロック注射などで症状の軽減を図ります。また、リハビリとしては、ストレッチや腹筋を中心とした筋力訓練などを行うのが一般的です。
症状が落ち着いてくるようなら、リハビリなどを継続しつつ様子を見ますが、痛みやしびれが激烈な場合や、足などが動かなくなったり、感覚が無くなってしまう麻痺と呼ばれる症状が出現している場合などは手術療法が検討されます。
腰椎すべり症の手術について教えて。

生活に大きな支障がでたり、症状が激烈な場合など、重症例には手術療法が検討されます。
代表的な手術は固定術と呼ばれ、骨を削るなどして神経の通り道を広げ、すべりを起こしている背骨部分を、自らの骨や金属などを用いて固定する手術です。手術方式によって固定力や、切開の大きさに差があり、患者様の状態や病状によって使い分けられます。
術後は固定した部分が安定するまでしばらく時間がかかり、ある程度の安静やコルセットなどによる保護が必要です。
腰椎すべり症でやってはいけないことや、してはいけない運動はありますか?

腰椎すべり症の患者さんは、腰に過度な負担がかかる動作や運動を避ける必要があります。特に、腰を反らす動作はすべりを助長してしまうため要注意です。
特に、体を大きく反らせるヨガのポーズや、無理に腰を伸ばすストレッチは症状を悪化させることがあります。ジャンプや激しい捻り動作を伴うスポーツも、腰に強い負担をかけるため、医師と相談しつつ、慎重に行うのがよいでしょう。
また、長時間の立ち仕事やデスクワークなどは症状を訴える患者様が多く、合間に短い休憩を入れたり、姿勢を変えたりする工夫をすると良いでしょう。日常の姿勢や動作を意識し、腰に過度なストレスをかけないことが、症状の進行を防ぐために大切です。
腰椎すべり症に効果的なストレッチがあれば教えてください。

腰椎すべり症の症状を和らげるためには、特に、太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)や、お尻の筋肉(臀筋)をほぐすストレッチが有効です。腰自体のストレッチ、特に前述した腰を反らすようなストレッチは、すべりを助長する可能性もありますので、専門家の助言のもとで慎重に行う必要があります。
例えば、仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せるようなストレッチは、腰に負担をかけずに臀部や太ももの筋肉を伸ばすことができます。
ストレッチを行う際には無理をせず、痛みを感じない範囲でゆっくりと行うことが重要です。腰への負担を最小限に抑えながら行うようにしましょう。


腰椎すべり症の診断について教えてください。

腰椎すべり症の診断には、主にレントゲン検査が行われます。レントゲン検査は一つ一つの腰椎の位置関係を確認することが可能で、腰を曲げたり反らした姿勢での腰椎を確認できることが特徴です。
レントゲン検査は簡便に行うことができ、大まかなすべりの程度を評価することができまが、神経の状態を詳しく調べるためには、MRIやCTといった精密検査が必要になります。特に、神経症状が強い場合や、痛みが長期間続いている場合には、これらの検査を受けることで正確な診断が可能となります。
実際の診察では画像検査を元に、神経学的な評価や身体所見から、実際の症状との整合性を確認して治療方針を決定する必要があります。レントゲン検査ですべり症と診断されても、MRI検査では他にヘルニアが見つかる場合などもあります。正確な診断のためにあ専門医の受診、特に検査設備の整った医療機関での診断を受けることをおすすめします。
腰椎すべり症になりました。負担をかけない寝方を教えてください。

腰椎すべり症の患者さんにとって、寝る姿勢は重要なポイントです。
仰向けで寝る場合、膝の下に大きめのクッションや毛布など丸めて入れ、膝を立てて寝ることで腰の反りが軽減され、比較的楽に寝ることが出来ます。また、横向きで寝る場合は、抱き枕を使用したり、膝の間にクッションを挟むことでせぼねが曲がるのを防ぎ、腰への負担を軽減できます。逆に、うつ伏せの姿勢は腰が反ってしまうため、すべり症の症状を悪化させる可能性があります。
寝具の硬さについては、一般的に柔らかすぎるものを避ける方が良いとされていますが、起床時に特に調子が悪いということでなければ気にしすぎなくともよいでしょう。
ウォーキングや筋トレなどの運動をしてもよいですか?

腰椎すべり症の治療には運動が重要な役割を果たしており、医療機関で行われるリハビリにおいても運動療法が最も重要であるとされています。
特にウォーキングは、腰に大きな負担をかけることなく活動性を高め、下半身の筋力を維持することができるため、推奨される運動のひとつです。循環の改善や筋力の維持効果以外にも、歩くこと自体に痛みを抑える働きがあることもわかっており、症状の出現しない範囲で軽く息が弾む程度の早歩きをお勧めしています。
筋トレについては、腹筋のトレーニングが重要です。多くの患者様にはプランクやドローイン、ブレーシングなどと言われる運動をお勧めします。背筋のトレーニングも有効ですが、腰を反らす動作はすべりを助長してしまう可能性があるため慎重に行う必要があります。
可能であれば、医療機関で専門家の指導を仰ぐのが良いでしょう。

起床時に足先のしびれや、足の付け根の痛みなどがあり、「すべり症」と診断されました。悪化させないためにはどうしたらよいでしょうか。手術は必要ですか。

すべり症は背骨の関節や椎間板の変形などにより、背骨がずれる病気です。
大きく分けて二種類あり、一つは主に加齢による椎間板の変化が原因となる変性すべり症。もう一つは、子どもの頃に激しいスポーツなどで疲労骨折した部分が分離し、そこからずれが生じる分離すべり症です。
相談者は変性すべり症の可能性が高いと思います。変性すべり症の多くは、五つある腰椎の上から四番目の骨が少し前に出て、五番目との間にずれが生じます。腰椎がずれることで神経が通る脊柱管が狭くなり、腰痛やお尻、下肢の痛み・しびれを引き起こします。歩行中に足に痛みやしびれが出るのも典型的な症状です。
治療はまず、鎮痛剤の服用や、炎症や腫れを取るための注射などの保存療法が一般的です。その上で、腹筋や背筋を鍛える体操や、柔軟性を高めるストレッチを行いましょう。薬を併用しながら、こうしたリハビリを続けると、かなりの効果が出ることも多いです。
手術するかどうかは、症状や日常生活への影響の度合いなどから判断します。脊柱管狭窄(きょうさく)の場合は広げる手術。腰痛がひどかったり、神経の出口となる椎間孔まで狭窄していたりしたら、骨のずれ自体を戻し、固定する手術法も選択肢となります。手術を検討するようなケースは、脊柱の専門医に相談することを勧めます。
ヘルニアなど腰痛・しびれについてのお問い合わせ・診療予約



