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コラム | 腰の痛みを引き起こす癖、チェック方法

腰痛の人は多いのか?

この日本ではいったいどのくらいの人が腰痛を抱えているでしょうか。

男性では第1位、女性では第2位と非常に多くの人が腰痛を抱えているとされています。また、そのうち25%もの人が腰痛によって仕事を休んでしまうと報告されています。膝・肩など、その他の痛みと比べても、長引く腰痛に悩んでいる人が多いようです。

腰痛の生涯有訴率:全国約6万5千人の調査
腰痛の生涯有訴率:全国約6万5千人の調査
松平浩,「新しい腰痛対策Q&A21」(公財)産業医学振興財団,2012 より引用転載

自分に合ったリハビリ(運動)

リハビリでは、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動で腰痛の改善を行いますが、一口に腰痛といっても、片側・両側・外側・真ん中・お尻など、痛みを感じる場所は様々です。また、痛む状況についても、前かがみ・前かがみから姿勢を戻すとき・体を反る・体を捻る・じっとしていても痛いなど、様々なパターンがあります。

「腰痛」と一括りにしても、AさんとBさんが同じ状態とは限りません。つまり、Aさんに効果があったストレッチがBさんにも同じように効果があるとは限らないのです。

そのため、まずは自分の体の中がどうなっているのか、何が原因で腰痛が生じているのかを把握し、自分の状態にあったリハビリを行う必要があります。

腰痛

なぜ腰痛になってしまうのか

腰痛になるのは「体が硬いから」「腹筋が弱いから」「姿勢が悪いから」などと言われることがあります。これらは決して間違ってはいませんが、体が硬いAさんは腰痛に苦しんでいますが、同じくらい体が硬いBさんは腰痛知らずということはよくあることです。「体が硬い」「体幹が弱い」「姿勢が悪い」といった現象は、腰痛になる一つの要因であることは確かですが、実際に腰痛をが現れるかは他の要因も考慮していかなければなりません。その要因の一つに、「長引く痛みが日常生活・スポーツに与える影響」でお話しした「癖」が関わってきます。

《癖》のチェック方法

「体が硬い」「腹筋弱い」などの原因によって、腰に悪い動き方の癖が出来上がることがあります。

では、ここで自分の動き方に《癖》があるかのチェックする簡単な方法を紹介します。今回紹介する確認方法は、『股関節を動かしたときに腰がどう動くか』です。

股関節

四つ這いでのチェック(動画12秒~)

四つ這いの姿勢からお尻が踵につくまで後ろに下げます。

四つ這いの姿勢からお尻が踵につくまで後ろに下げます

この方法では股関節を曲げ伸ばしした時に、背骨や骨盤がどのように動くかを見ています。腰への負担を少なくするには、背骨を真っ直ぐ保ったまま動かせることが理想です。

上の写真のモデルは私ですが、恥ずかしながら、股関節が硬いせいでお尻が踵につくまで下げることができていません。これが今の自分が抱えている問題になります。

このような確認動作でわかる腰に悪い《癖》は主に2つで、背中が丸まってしまう場合と、お尻を踵につけてから戻る時に背中を反ってしまう場合です。

腰に悪い癖

これらは股関節を曲げ伸ばしに合わせて腰を動かしてしまうことになり、腰への負担が増えてしまう可能性があります。

仰向けでのチェック(動画2分20秒~)

1.仰向けになります、片方の膝を曲げ、もう一方は伸ばしておきます
2.曲げている側の膝を床に近づけるように動かします(45°まで傾けます)

この方法では、股関節を捻る動作で背骨や骨盤が動くかを見ています。骨盤や腰はほとんど動かないのが理想で、股関節につられて骨盤が動いてしまう場合は股関節を動かしたときに腰を捻ってしまうことになり、腰に負担をかける可能性があります。(動きの終盤で骨盤が動き始めるのは問題ありません)

横向きでのチェック(動画4分36秒~)

横向きで寝て両脚を軽く曲げた状態から、上側の脚を浮かせてまっすぐ90°になるまで股関節を曲げていきます。

この方法では、股関節を曲げる動きで背骨や骨盤が動いてしまわないかを見ています。腰や骨盤が動くことなく脚を動かせることが理想ですが、骨盤が後ろに倒れたり、腰が傾いて横腹に体重をせてしまう場合などは、股関節の曲げ伸ばしにつられて腰が動いてしまうことになり、腰に負担がかかる可能性があります。

どうでしたか?
改めてチェックしてみると、私もまだ腰が動いてしまう部分がありました。これが私の《癖》です。皆さんもぜひチェックしてみてください。

動きの主体が腰になっている時の影響

これらのチェックでわかるのは、腰を中心に動かしてしまう癖です。紹介した3つのチェックはすべて、脚(股関節)を動かす課題でしたが、その時に腰が動いてしまうということは、日常生活で脚(股関節)を動かせばいいところを腰で動いてしまい、無用な負担をかけている可能性があるということです。

ものを拾う時に脚(股関節)を曲げることなく腰だけを丸めて拾おうとする、スポーツで体を捻るときに、脚(股関節)を動かさずに腰ばかりで体を捻ってしまうなど、本来股関節が主導になって動くところを腰が主導になって動いてしまうことで腰への負担が増してしまい、結果腰痛を引き起こしやすくなります。

腰は動かさない方が良い?

では腰は動かさない方が良いのかといえば、全く動かないのも少し不自然です。腰周り(体幹)の筋肉の動きが少なくなり、サボり筋となってしまいます。うまく働かなくなったり、固まってしまったりします。

腰だけで動くことがないよう、股関節や腰以外の背骨(胸椎・頚椎)などをバランスよく動かして、腰だけに負担がかからないようにすることが大切です。

《癖》を治すにはどうしたら良いか

腰痛の原因にもなる《癖》が確認できたら、それを治していきたいですよね。

そこでリハビリとして行われるのが「長引く痛みが日常生活・スポーツに与える影響」でお話しした「機能的エクササイズ」です。それぞれの癖に応じた機能的エクササイズを行い、腰に負担のかかりにくい体を目指します。

ただ、その前に実践して頂きたい簡単なことがあります。それは《癖》が出ない様に意識することです。なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、案外重要なことで、意識するだけで治っていくならそれに越したことはないのです。それでも治らない場合に機能的エクササイズに取り組んでいくのがいいでしょう。

あいちせぼね病院
リハビリテーション部
山本剛史

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