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頚椎椎間板ヘルニアとは

頚椎椎間板ヘルニアとは

頚椎には、頚髄(脊髄)とよばれる神経組織が通っており、脳から手や肩に向けて送られる信号は全てこの頚髄(脊髄)を通して届けられます。各頚椎の間には椎間板と呼ばれる組織があり、上下の頚椎を支えるクッションの働きを持っています。この椎間板が破れて各神経を圧迫するのが頚椎椎間板ヘルニアです。

頚椎椎間板ヘルニアの原因

椎間板が飛び出してくる原因の一つとして、老化現象による機能の低下が挙げられます。頚椎の間にある椎間板は常に圧力のかかる状態にあるので、組織の中で最も早く老化が起こるとされます。そのため、劣化が進んで外側の膜に亀裂を起こし、中の髄核が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれなどの症状を引き起こすのです。

頚椎椎間板ヘルニアの症状

頚椎椎間板ヘルニアの症状は、以下のように多岐にわたります。これら全身の症状は神経の障害によって起こってくるものです。
病状の悪化は1→2→3→4の順に進行してきます。

1.首・肩部症状 肩こり、首痛、背中の痛み、前胸部痛
2.腕、手症状 上肢の痛み、腕のだるさ、手のしびれ、手のむくみ、握力低下、腕の筋肉の萎縮
3.頭部、顔面症状 後頭部痛、頭痛、目の奧が痛い、眼性疲労、眼充血、耳鳴り、めまい、ふらつき
4.下半身症状 脚のつっぱり、歩行障害、尿コントロール障害、尿失禁
首からの神経痛による症状
頚椎の構造

1. 首・肩部症状

頸椎後方にある椎間関節の動きが低下したり変形が生じたりすると、頸の後方部から背中、時には胸の前の方に痛みや凝り、だるさ、違和感等々が生じます。リハビリテーションが治療の中心となってきます。頸椎牽引、マッサージ、温熱療法、電気療法、針治療、ストレッチ体操、筋力アップ、リラクゼイション等々を適宜組み合わせていきます。

2. 腕、手症状

肩から手先までの上肢の症状は神経根症状によるものです。頸部から肩~上腕に痛みがあり、頸を後に伸展すると頸や腕に激痛が走ることもあります。

7つある頸椎の4番目以下の神経根が障害されると腕や手の痛みやしびれ、むくみ、握力低下、背部痛等が起こってきます。レントゲンMRIできちんとした診断を受ける必要があります。リハビリを繰り返すことが大切ですが、痛みの中程度の場合には星状神経ブロックという頸の前方から注射を繰り返すことで、痛みは徐々に楽になってきます。

経皮的レーザー椎間板減圧術PLDDが頚椎椎間板ヘルニアが比較的小の場にはに有力な方法として伊藤整形・内科 あいちスポーツ・人工関節クリニックでも行なわれています。経皮的内視鏡頚椎椎間板ヘルニア摘出術PECDは中~大サイズの頸椎椎間板ヘルニアに有益で、一泊入院で行われます。PLDDPECDも最先端医療のため、保険外診療(自費診療)となります。

3. 頭部、顔面症状

3番目以上の神経根が障害されると、頸の後~後頭部~側頭部の痛みが起こり、さらに眼精疲労が生じやすく、目の奧が痛くなったり、充血しやすくなります。凝りや痛みが強くなると吐き気をもよおしたり、気分が悪くなったりします。リハビリの他、後頭部・頸部神経ブロック注射が有効となります。また頭へ行く血管が骨の変形で圧迫されたり、動脈硬化が加味されますと、血管内腔が狭くなり椎骨動脈不全症となってきます。めまい、頭のふらつき、吐き気、耳鳴り等が頸椎の変化によって生じてくることになります。ひどい場合には脳梗塞像MRI で認められることもあります。リハビリ、星状神経ブロック、血管拡張剤等で治療していきます。

4. 下半身症状

頸部脊髄が圧迫を受けると下半身及び上半身に神経障害が発生してきます。脊髄症を起こす圧迫の原因は、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症等々であり、正確な診断はMRICT等によります。脚のつっぱり、歩行障害、尿コントロール障害、尿失禁、手のしびれ、筋力低下、筋萎縮、手足の痛み等複雑な症状が発生し日常生活に支障をきたすようになってきます。リハビリで体のバランスをつくり、基礎体力を向上させる必要があります。日常生活に支障がある場合には手術をすることもあり得ます。高度な技術を要しますので、熟練した整形外科医を選ぶ必要があります。

以上、頸椎によって起こってくる疾患は様々であり、軽度は肩凝りから重度は身の回り動作が不自由となるまで多岐にわたります。1.5テスラMRI64マルチCT等のハイテク機器と豊かな学術経験の積み重ねによって正しい診断と治療がより完全なものとなっていきます。

頚椎椎間板ヘルニアを治すには

頚椎椎間板ヘルニアは、首周りに痛みを抱える病気です。そのため、対策として、首や肩に負担をかけるような動作や作業を控えるのがベストでしょう。 また、首こりや肩こり改善のためのセルフケアも有効。マッサージやストレッチなどで痛みやしびれを緩和する効果が見込まれます。 セルフケアをやってみ痛みが引かない場合、鎮痛剤やリハビリ、手術などの治療法もありますので、医師と相談のうえ、適切な治療方法を選択しましょう。

以下では、頚椎椎間板ヘルニアの治療方法について説明します。

保存的療法による治療(理学療法)

症状が重度でない場合には保存療法(手術以外の治療)が行われます。投薬や注射などで症状を抑え、リハビリで筋肉を鍛えたり動きを良くしたりすることで頚椎に係る負担を減らします。

薬による治療

ロキソニン®やボルタレン®、バファリン®、カロナール®といった一般的な鎮痛薬の他、リリカ®やサインバルタ®といった神経の薬、痛みに効果がある抗うつ薬などが処方されます。

手術による治療

手術を選択するかどうかの判断基準

耐えられないほどの痛みやしびれの他、明らかな握力の低下、腕が挙がらない場合、箸やボタンといった手先の作業が難しくなった場合、歩き難くなった場合などは手術が適応となります。

手術の目的と種類

手術では神経を圧迫しているヘルニアや骨を切除します。切除により頚椎が不安定になってしまう場合などは、ボルト等で固定することもあります。

PECD 4mm程度の傷口で行うことが可能なヘルニア摘出手術です。
骨の変性・変形が強くない場合に有効です。 詳細はこちら
PECF,MECF 7~16mmの傷口で行う手術です。
椎間板ヘルニアに加え、骨の変性等による神経の圧迫にも対応が可能です。
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ACDF 4~5㎝程度と、比較的大きな切開で行う手術です。
上記の手術で対応できないような、骨の変形・変性が強い場合などに行います。
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PLDD 1mmの針を刺入し、レーザーによってヘルニアを熱凝固・収縮させる手術です。
皮膚を切開する必要がなく、日帰りで行うことが可能な手術です。
詳細はこちら

手術後の経過

手術方法にもよりますが、概ね1~2週間の入院となります。退院後はほとんど通常通り日常生活を送ることができますが、首を強く反らしたり捻ったりする動きを避け。長時間うつむく必要がある作業などはしばらくは避けた方が良いでしょう。

術後に特別なリハビリは必要ないことがほとんどですが、一般的には負担のかからない動き方などを覚えたり、首肩回りの筋肉のコンディショニングを行ったりします。手の動きが悪い場合や歩行が難しい場合などはそれらに対するリハビリを行います。

全医会グループでの治療について

リハビリ等でも症状が改善せず、ヘルニアはさほど大きくない場合には、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)などのいくつかの日帰り手術から最適な治療法を選択します。

中度~重度の患者様には、経皮的内視鏡頚椎椎間板ヘルニア摘出術(PECD)を行っています。PECDは、4mmの切開部分に2mm小鉗子を入れ直接ヘルニアを摘出する1泊手術です。首・肩・腕の痛みやしびれのある方の約90%の方が軽快されます。

症状にあった治療法を選択するために、脊椎専門ノウハウの結集である脊椎ドック(脊椎精密検査)をお勧めしております。

脊椎ドック(脊椎精密検査)をお勧めする理由

  1. MRI・CT・レントゲンを同日撮影。すぐに脊椎専門医から結果説明を受けられる。
  2. 保険診療では数週間かかることが、半日で終了。
  3. 症状の原因を詳しく調べ、それによって適切な治療法を知ることができる。
  4. 大学病院教授陣で構成する「脊椎脊髄ドック協会」の推奨する検査法。

脊椎ドックの詳細はこちら

予防と対策

予防方法

姿勢

壁に背にして、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが付くように立つのが理想的な姿勢の目安です。背中が丸まっていない、顎が前につき出ていない姿勢なら、頚椎への負担が少なくなります。

枕選び

枕が高いとうつむいた姿勢になってしまいますし、低すぎる枕では顎が上がり、首が反ってしまいます。真っすぐに立っている時と同じような姿勢で寝られるよう、バスタオルなどを畳んで重ねて高さを調整してみると良いでしょう。枕の硬さはある程度好みで構いませんが、高さが合っているならある程度柔らかい方が良いでしょう。

再発の予防方法

再発率

頚椎椎間板ヘルニアの再発率ははっきりとしていませんが、腰椎椎間板ヘルニアに比べれば非常に少ないことがわかっています。加齢とともに骨などが変形して、ヘルニアと同様に神経を圧迫することがありますが、この場合は再発ではなく頚椎症(頚髄症)という別の病気と診断されます。

再発の原因

再発の原因ははっきりしていませんが、加齢や頚椎への繰り返される負担などが原因として考えられます。遺伝的・体質的に発症しやすい場合は、どれだけ気を付けていても避けられないこともあります。

再発を予防するには

頚椎への負担を少なくするために、うつむいた姿勢で長時間作業することや、繰り返し上を見上げるような姿勢を取ること、ラグビーなどの頚椎に負担がかかるスポーツなどを避けることなどが考えられますが、どうしたら再発を防ぐことができるかははっきりとわかっていません。

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